ことわざ辞典

一事を以て万事を決すべからず

読み方

いちじ を もって ばんじ を けっす べからず

意味

一つの出来事や一つの欠点だけを根拠にして、その人・物事のすべてを判断したり、結論を下したりしてはいけないという戒め。全体を正しく知るには、多くの事実や事情を見て慎重に判断する必要があるという意味。

由来

正確な出典や成立した時期は明らかではない。漢文訓読調の「一事(ひとつの事柄)」と「万事(すべての事柄)」を対比した表現で、「以て」は「…によって」、「べからず」は「…してはならない」を表す。古くから教訓的なことわざとして用いられてきた。

備考

やや硬く、文章語・教訓的な場面で用いられる。「一事が万事」は、一つの事柄から全体の傾向を推し量る表現であり、本ことわざとは対照的に使われる。

例文

  • 彼が一度遅刻しただけで不真面目だと決めつけるのは、一事を以て万事を決すべからずだ。
  • 一件の苦情だけを見て、その店全体のサービスが悪いと判断するのは、一事を以て万事を決すべからずというものだ。
  • 採用面接での小さな失言だけで候補者を落とすのではなく、一事を以て万事を決すべからずの姿勢で評価したい。
  • 子どもが一度失敗したからといって能力がないとは言えない。一事を以て万事を決すべからずである。
  • その記事には誤りがあったが、だからといって新聞社全体を信用できないとするのは、一事を以て万事を決すべからずだ。

類義語

  • 早計は禁物
  • 軽率な判断は禁物
  • 一面をもって全体を判断しない

対義語