ことわざ辞典

一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ

読み方

ひとりむすめ と はるのひ は くれそうで くれぬ

意味

一人娘は親がかわいがり、手放すことを惜しむため、年頃になってもなかなか嫁に出せないことをいう。また、春の日は日が長く、暮れそうに見えてなかなか暮れない。その両方を重ねて、待ち遠しく感じることや、手放しがたいものがなかなか終わらないことをたとえる。

由来

成立した時期や初出は明確ではない。日が長く、夕暮れがなかなか来ない春の季節感と、親にとって一人娘は特に大切で、嫁入りなどで手元から離す決心がつきにくいという心情を重ねた伝承的なことわざである。

備考

娘は結婚して親元を離れるものだという、古い家族観を背景とする表現。現代では性別役割や結婚観に配慮し、主に古風な言い回し・冗談として用いられる。

例文

  • 一人娘の結婚が決まり、父は喜びながらも寂しそうだった。「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ」という心境なのだろう。
  • 祖父は、妹がなかなか結婚しなかった頃を振り返り、「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬと言うからな」と笑った。
  • 娘が成人しても親が縁談に慎重なのは、一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬという親心の表れかもしれない。
  • 夕方になっても明るい春の日を見て、母は「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ、というのはよく言ったものね」と言った。
  • 娘の独立を見送る父は、冗談めかして「一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬとは言うが、もう送り出す時だな」と語った。

類義語

  • 春の日は暮れそうで暮れぬ
  • 春の日は長い