公事は三分に負けよ
読み方
くじ は さんぶ に まけよ意味
訴訟や争いごとは、勝つことにこだわって長引かせるよりも、三割ほど譲歩して早く和解・解決したほうがよい、というたとえ。裁判には費用や時間、精神的な負担がかかるため、完全な勝利を求めることが必ずしも得策ではないという意味である。由来
「公事(くじ)」は、もとは公的な事務・儀式などを指した語で、のちに訴訟や裁判の意味でも用いられた。「三分」は全体の三割ほどを表し、争いではその程度の譲歩をしてでも早期に決着させるのが得だという考えを示す。近世、特に江戸時代(17~19世紀)に広まったことわざとされ、いろはかるた類にも見られる。正確な初出年は不明。備考
現在では裁判上の権利を安易に放棄せよという意味ではなく、争いに伴う時間・費用・人間関係の損失を考慮し、合理的な解決を選ぶという文脈で使う。日常会話ではやや古風な表現。例文
- 取引先との紛争は長引くほど損失が増える。公事は三分に負けよという考えで、こちらが少し譲って和解した。
- 遺産をめぐる裁判について、弁護士は「公事は三分に負けよとも言います。費用と時間を考えて話し合いでの解決も検討しましょう」と助言した。
- 彼は全面勝訴にこだわっていたが、家族に説得され、公事は三分に負けよとばかりに条件を譲歩した。