将、外に在れば君命も受けざる所あり
読み方
しょう そとに あれば くんめいも うけざる ところ あり意味
戦場など遠隔の現場にいる将軍は、現地の敵情や地形、緊急の事情を最もよく知っているため、君主からの命令であっても、そのまま実行するのが不適切・不可能な場合には従わないことがある、という意味。転じて、現場の責任者には状況に応じた独自の判断と裁量が必要だというたとえ。由来
中国の兵法書『孫子』の「九変篇」にある「君命有所不受(君命も受けざる所あり)」に由来する。将軍は戦地の実情に即して行動すべきであり、君主の命令にも従えない場合がある、という兵法を示した言葉である。『孫子』は伝統的には春秋時代末期、紀元前5世紀ごろの孫武の作とされるが、現存する本文の成立時期には戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)まで含める諸説がある。「将、外に在れば」は、この趣旨を明確にする形で定着した表現である。備考
本来は軍事上の兵法であり、命令違反を無条件に正当化する言葉ではない。現代では、現場の専門性や緊急時の裁量を重視する文脈で用いられる。例文
- 通信が途絶した前線では、「将、外に在れば君命も受けざる所あり」という考え方に基づき、隊長が独自に退避を決断した。
- 本社は災害現場の責任者に一定の裁量を与え、「将、外に在れば君命も受けざる所あり」として迅速な対応を求めた。
- ただし、「将、外に在れば君命も受けざる所あり」といっても、組織の規則や命令を無制限に無視してよいという意味ではない。
類義語
- 臨機応変
- 現場判断
- 現場主義
対義語
- 軍令は山の如し
- 上意下達
- 命令遵守