旅人に三里の灸
読み方
たびびと に さんり の きゅう意味
旅に出る前には、足の「三里(足三里)」というつぼに灸を据えると、足の疲れを防ぎ、健脚になって旅の苦労に耐えられるという意味。転じて、物事に取りかかる前に健康管理や十分な準備をしておくことの大切さをいう。由来
「三里」は膝の外側の少し下にあるとされる経穴(足三里)で、中国由来の伝統医学では胃腸の働きや足の疲れに関係するつぼと考えられてきた。このつぼに灸を据えて旅の疲労を予防する習慣から生まれた表現で、正確な成立時期は不明である。江戸前期の松尾芭蕉『おくのほそ道』(元禄年間、17世紀末)にも、旅立ちに際して「三里に灸すうる」とある。備考
「三里」は距離の三里ではなく、足のつぼである「足三里」を指す。現代では灸の効能を保証する表現ではなく、旅の前の養生・準備を勧めるたとえとして用いる。例文
- 父は長旅に出る私に、「旅人に三里の灸というから、出発前はよく体を整えなさい」と言った。
- 登山では、旅人に三里の灸の精神で、靴や雨具を事前に点検しておくことが大切だ。
- 彼女は旅人に三里の灸とばかりに、旅行の前日から十分な睡眠を取って体調を整えた。
類義語
対義語
- 行き当たりばったり
- 無計画に旅をする