死地に陥れて後に生く
読み方
しち に おとしいれて のち に いく意味
人を逃げ場のない死ぬか生きるかの極限状況に追い込むと、かえって必死に奮起して活路を開き、生き延びることがあるという意味。特に、兵士に退路のない状況を与えることで戦意を高める兵法をいう。由来
中国の兵法書『孫子』の「九地篇」にある「兵を亡地に投じて然る後に存し、兵を死地に陥れて然る後に生く(投之亡地然後存、陷之死地然後生)」に基づく。『孫子』の成立時期には諸説あるが、概ね紀元前5〜4世紀頃(春秋・戦国時代)の中国で成立したとされる。日本ではこの漢文を訓読した形が故事・ことわざとして用いられる。備考
中国由来の故事成語・兵法上の表現。現代では比喩的に使われることもあるが、他者を極限まで追い込むことを肯定する響きがあるため、職場や教育の場では使用に注意が必要。例文
- 将軍は兵の退路を断ち、「死地に陥れて後に生く」という兵法によって兵士の決死の戦いを引き出した。
- この計画は、あえて厳しい条件を課して力を発揮させるという点で、「死地に陥れて後に生く」の発想に近い。
- 部下を過度に追い込むやり方を、「死地に陥れて後に生く」などと言って正当化してはいけない。
類義語
対義語
- 君子危うきに近寄らず
- 逃げるが勝ち
- 安全策を取る