ことわざ辞典

火事と喧嘩は江戸の華

読み方

かじ と けんか は えど の はな

意味

火事や喧嘩が頻繁に起こるほど、江戸の町は人口が多く活気に満ちていたことを、半ば皮肉を交えていう言葉。「華」は、江戸らしさを象徴する目立つもの、にぎやかなものという意味で用いられている。火事や喧嘩そのものをよいものとして勧める意味ではない。

由来

江戸時代の江戸では、木造家屋が密集していたうえ火の扱いも多かったため、大火を含む火事がしばしば起きた。また、町人や職人などが集まる大都市であったことから喧嘩も多く、これらを江戸の繁華さ・気風を示すものとして表現した。成立時期の正確な年は不明だが、江戸時代後期には広く使われたとされる。なお、「伊達と喧嘩は江戸の華」という形もある。

備考

現代では火事や喧嘩を肯定する表現としては用いない。主に江戸の文化・風俗を説明する際や、時代劇・歴史小説の文脈で使われる。「華」は「花」と表記されることもある。

例文

  • 江戸の町では火消しが人気者で、まさに「火事と喧嘩は江戸の華」といわれた。
  • 展示では、火事と喧嘩は江戸の華ということわざを通して、江戸庶民の生活を紹介している。
  • 江戸を舞台にした小説には、火事と喧嘩は江戸の華という言葉どおり、火消しや町人の騒動がよく登場する。
  • 祖父は、昔の江戸っ子の気質を語りながら、「火事と喧嘩は江戸の華っていうからな」と笑った。
  • この芝居は大火事と町人同士の争いを描き、火事と喧嘩は江戸の華と呼ばれた時代の空気を伝えている。

類義語

  • 火事と喧嘩は江戸の花
  • 伊達と喧嘩は江戸の華