ことわざ辞典

衣食足りて礼節を知る

読み方

いしょく たりて れいせつを しる

意味

着る物や食べ物など生活に必要な物が十分に満たされて、はじめて人は礼儀や道徳、社会の秩序を重んじる余裕を持てるということ。生活が困窮しているときには、礼節を求めるだけでは難しいという意味も含む。

由来

中国の古典『管子(かんし)』の「牧民」篇にある「倉廩実ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る」に由来する。『管子』は春秋時代の管仲に仮託されるが、成立は戦国時代(紀元前4~3世紀頃)以後とされる。日本では後半の趣旨などを踏まえ、「衣食足りて礼節を知る」という形で広く定着した。

備考

貧しい人を礼節のない人と決めつける表現ではなく、生活保障や経済的安定が道徳・文化を支えるという社会的な見方を示すことわざ。相手を評する際は配慮が必要。

例文

  • 最低限の住まいと食事を確保する支援が先だ。衣食足りて礼節を知るというように、生活の安定なくして社会参加は難しい。
  • 社員に接客マナーだけを求める前に、適正な賃金と休暇を整えるべきだ。衣食足りて礼節を知るという。
  • 被災者に規則を守るよう求めるだけでなく、まず物資を十分に届けなければならない。衣食足りて礼節を知るからだ。
  • 子どものしつけにおいても、安心して暮らせる家庭環境が大切だ。衣食足りて礼節を知るという考え方は今でも参考になる。
  • 国が文化や道徳を育てるには、国民の生活基盤を充実させることが必要である。まさに衣食足りて礼節を知るだ。

類義語

対義語