ことわざ辞典

貧すれば鈍する

読み方

ひんすれば どんする

意味

人は貧乏になり生活に追われると、心の余裕や考える力を失い、判断力・知恵・気力まで鈍くなりがちだということ。貧困が人の能力そのものを低くするという断定ではなく、苦しい生活環境が思考や行動に与える影響をいう。

由来

「貧する」は貧乏になること、「鈍する」は知恵や判断力などが鈍くなることを表す。「貧すれば鈍する」はこの二語を用いた文語的なことわざである。特定の中国古典などに基づく確かな典拠、初出年、成立時期は明らかではない。

備考

困窮している人を能力的に劣ると決めつける響きがあるため、他人への評価としては慎重に使う。現代では、貧困が判断や選択の余地を狭めるという社会的文脈で用いられることが多い。

例文

  • 生活費の心配ばかりしていると新しい仕事を探す余裕もない。貧すれば鈍するという状況を放置してはならない。
  • 彼の判断ミスを怠慢だけのせいにするのは早計だ。貧すれば鈍するともいうように、困窮は冷静な判断を難しくする。
  • 奨学金や生活支援を充実させることは、貧すれば鈍するという悪循環を断つ助けになる。
  • 日々の支払いに追われて勉強に集中できない学生を見て、貧すれば鈍するという言葉を思い出した。
  • 事業が苦しくなると短期的な利益ばかりを求めがちだが、貧すれば鈍するにならないよう、第三者の助言を求めよう。

類義語

対義語