鉤を盗む者は誅せられ、国を盗む者は諸侯となる
読み方
かぎ を ぬすむ もの は ちゅうせられ、 くに を ぬすむ もの は しょこう と なる意味
小さな鉤を盗むような小悪人は処罰されるのに、国を奪うほどの大悪人は権力者・諸侯として栄える、という意味。権力を握った大きな悪事は正当化されやすく、弱い者や小さな罪だけが罰せられがちな社会の不公正を皮肉っていう。由来
中国の思想書『荘子』の「胠篋(きょきょう)篇」にある「竊鉤者誅、竊国者為諸侯(鉤を盗む者は誅せられ、国を盗む者は諸侯となる)」に基づく。『荘子』は戦国時代、紀元前4~3世紀ごろに成立したとされる。原文は、鉤のような小物を盗む者は死刑にされる一方、国を奪う者は諸侯となり、その門には仁義さえ集まる、という権力と道徳への痛烈な批判である。備考
中国古典由来の、漢文調で硬い表現。日常会話よりも、社会批評・政治批評・文章語で用いられる。「鉤」は本来、帯を留める金具などの小さなかぎを指す。例文
- 横領した末端の社員だけが解雇され、経営陣は責任を免れた。まさに「鉤を盗む者は誅せられ、国を盗む者は諸侯となる」だ。
- 小さな違反には厳罰を科すのに、権力者の大きな不正には甘い制度を見て、彼は「鉤を盗む者は誅せられ、国を盗む者は諸侯となる」と批判した。
- このことわざは、権力を得た者の犯罪が成功や功績として扱われる危険を、「鉤を盗む者は誅せられ、国を盗む者は諸侯となる」と表している。
類義語
- 大盗は国を盗み小盗は命を盗む
- 小盗は罰せられ大盗は栄える
- 竊鉤者誅、竊国者為諸侯