ことわざ辞典

鹿を追う者は山を見ず

読み方

しかを おう ものは やまを みず

意味

一つの目的や目先の利益を熱心に追いかけていると、それ以外の大切な事柄や周囲の状況を見落としてしまう、というたとえ。鹿を追うことに夢中な人は、山全体の様子を見ていない意からいう。

由来

中国・前漢時代の思想書『淮南子(えなんじ)』の「説山訓」にある「逐鹿者不見山(鹿を逐う者は山を見ず)」に由来する。『淮南子』は紀元前2世紀ごろ、淮南王劉安のもとで編まれたとされ、日本では漢文の教養を通じてことわざとして定着した。

備考

目先の目的に没頭して全体を見失うことを戒める、やや硬い表現。文章やスピーチで使われやすい。「木を見て森を見ず」とほぼ同じ意味で用いられる。

例文

  • 売上目標だけを追って顧客の信頼を失うのは、鹿を追う者は山を見ずというものだ。
  • 彼は研究成果を急ぐあまり健康を損ねた。まさに鹿を追う者は山を見ずだ。
  • 細かな経費削減にこだわって事業全体の成長を妨げては、鹿を追う者は山を見ずになってしまう。
  • 試験の点数ばかり気にして学ぶ楽しさを忘れるのは、鹿を追う者は山を見ずと言える。
  • 交渉では目先の条件だけでなく長期的な関係も考えよう。鹿を追う者は山を見ず、では困る。

類義語

対義語

  • 大局を見る
  • 広い視野を持つ
  • 木を見て森を見る